北九州の棟梁の家庭に生まれ、放課後は親父のノコギリや金槌を持ち出して兄弟といっしょに実家の裏山に入り、木を切って小屋をつくり「秘密基地」にして遊んでいました。
それはそれは楽しい時間でした。この体験が「大工」としての原点かもしれません。
大工仕事の楽しさを覚えた私は、子どもの頃から父の仕事を手伝わせてもらいました。専用バーナーを使って焼き杉を作ったり、切り出した材木をヤスリで磨いたり…。
それらを職人が建具や家具へと仕上げ、やがて家の一部となって、そして建主が愛着をもって使っていく。
一本の木に、人の手が加わり、カタチを変えて「家」になります。